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満身創痍、周回遅れのトップランナー(4回目)

第4回

「完成、そして試練は続く。」

 大幅にスケジュールが遅れ、計画そのものが当初より大きく変わってしまった本事業であるが、結果的には得たものとすることができた。平成7年1月の阪神淡路大震災により建物の安全性がクローズアップされ、また全国的にも都心の空洞化が問題となってきて、国は新たな立法まで考えている。バブル崩壊後のこの時期、岡山市においては本地区をふくめて3地区の再開発が施工され、地方都市としては異例の事業進捗であった。特に本地区では都心空洞化に対する主要施策である住宅供給を他の地区に先駆けて実行させることができ、多方面からの注目を集めているところである。すなわち那須氏の言葉を借りれば、「従前2戸しかなかった住宅を83戸に増やすことができた」のである。

 国庫補助金についてもバブル時期に立ち上がった地区がほぼ工事を完了し、また阪神淡路大震災からの再興工事が本格化する前の時期であったため、比較的潤沢な補助金を使うことができた。その意味では再開発の優等生といえる。

 平成10年4月、本地区は「アークスクエア表町」として完成した。同建物は、岡山市街づくりを受賞し、2階部分に関しては、岡山市の男女共同参画推進課、一階部分についてもテナントの誘致に成功、さらに平成29年11月からは何の因果か、デベロッパーであった株式会社まつもとコーポレーションが1F部分に事務所を構えている。

岡山都心の空洞化に危機感を覚え、地元地権者の熱い思いが結実となって、岡山県初のマンション分譲型開発事業となった「アークスクエア表町」。

竣工から20余年を経過し、隣地である表町3丁目15番地区や「千日前商店街」など、再開発が続々と計画されており、今後も人が集う街づくりにむけ様々な取り組みが行われるであろう。

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