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満身創痍、周回遅れのトップランナー(1回目)

 岡山市表町三丁目14番地区優良建築物等整備事業 (全4回)

  •  岡山市北区表町。豊臣秀吉の信任の厚い、宇喜多秀家によって整備された商人町であり、岡山県で最も古い400有余年という歴史を持ち、そして最大の規模を誇る。
  • この場所にて、岡山県初のマンション分譲型開発事業が行われ、平成9年に「アークスクエア表町」が竣工した。その背景には、少子高齢化の進展により岡山都心の空洞化に危機感を覚え、幾多の困難にもあきらめず取り組んだ、地元地権者の熱い思いがある。
  •  ここでは、その一端を当時の資料を交えながらご紹介させていただく。(第4回)

事業のきっかけ

「―商店街は人が集わなければ意味がないー」現在ほどではないにせよ、ここでも全国どこでの商店街でも同じように商店街の歩行者数は減少を続けており、将来を危ぶむ商店主の声があった。 ここで喫茶店を経営していた那須正之氏は、自分の店を立て替えるにあたって知人である建設設計事務所所長である柳氏に相談をした。柳氏は市内他地区で市街地再開発事業に携わっていた経験より那須氏に再開発事業を薦め、同じく再開発事業に携わっていた不動産コンサルタント松原氏と共同コンサルタント業務に取り掛かったのである。柳・松原両氏は那須氏の周辺の土地所有者に順次呼びかけを行ったが、耐火建築物も多く街区全体を再開発することは困難と判断。事業手法として比較的簡単かつ時間もかからなくて済む優良建築物等整備事業を選択することになった。

協議会の設立

 そこで周辺地権者で優良再開発協議会を組織し、平成2年10月、岡山市へ始動・援助を要請するに至った。同時に複数のデベロッパーに企画提案を求め、数社からの提案の中から商店街に最も貢献すると思われるホテル案を採用し、デベロッパーを決定した。このデベロッパーは岡山市内のゼネコンである㈱まつもとコーポレーションであり、期せずして地元のみで固めた再開発となったのである。  デベロッパーはつてのあったホテル業者と接触し、出店の内諾を得たことにより、協議会は岡山市に対して補助を要請。市もこれを認めて国庫補助を受け平成2年12月に補助決定を行った。この時の主な地権者は7名。絵にかいたような理想的な出発に見えた。

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