
知る人ぞ知る名寺「金山寺」パート1
早速ですが、みなさんはこの字に見覚えはありますか。
(金山寺の山門)
ちょっと難しかったでしょうか。
それではこちらではどうでしょう。

まだ難しいですかね。
それならば、これならどうでしょう。
中四国にお住まいの方ならご存知のかたも多いと思います。
そうです。香川県は琴平町にある、「こんぴらさん」の愛称で古くから親しまれている金刀比羅宮(ことひらぐう)のシンボルマークです。
■すごく深い、「金」の字の意味
金山寺の「金」と金毘羅宮の「金」の字が同じであることに気づきましたでしょうか。
人の安全を祈って、「人」+「長」+「平」を組み合わせて書いたこの異字体は、2つのお寺とも同一の方が書かれたといわれています。
(金毘羅宮のある香川県仲多度郡琴平町のあたりには、江戸時代には「金山寺町」という町があったそうです。)
一枚目の写真は、岡山県岡山市にある、「金山寺」というお寺の山門です。
ほとんどの方がご存じないであろうこのお寺。実はとっても奥が深いんです。
岡山県で有名なお寺といえば「はだか祭り」でおなじみ西大寺でしょうか。
例年多くの方が訪れるこのお祭りは、その年の祝主から投下されるご神木を目指して屈強な男性たちが戦う様子は、さながらスペインの闘牛を彷彿とさせます。
・・実はこの「はだか祭り」発祥は金山寺といわれています。
さらにさらに、はだか祭り、正式名称を「会陽」といい、西大寺では「西大寺会陽」金山寺では「金山寺会陽」「温座秘宝陀羅尼会」をとも呼ばれるのですが、正徳2年(1712年)には東京は浅草、雷門で有名な「浅草寺」に移され、現在も浅草寺の正月行事として行われています。
歴史を紐解いていくと、金山寺と西大寺、金刀比羅宮は非常に神秘的なつながりをしているのです。
余談がすぎましたが、そんな由緒正しい金山寺についてご紹介をしていきます。
■まるで江戸時代の風景。
先ほどの金山寺の銘文のある山門の全景写真。
・・・これだけ見ると、果たしてこれは「令和」の風景なのかと疑いたくなりますね。
この山門(仁王門)は、正保2(1645)年の建立といわれており、入母屋造り本瓦葺きの三間一戸の桜門。残念ながら現在はかなり傷んでしまっており、周囲には木の足場が組まれています。
この足場は、地元の建設業者によって設置されたもので、建物を支えるものではなく、あくまで老朽化して今にも落ちそうな瓦が落ちて参拝者にあたらないようにしているものだそうです。
優れた建築物は、それと同様に素晴らしい縁や歴史をあわせもっているもの。 いつの日か、この山門が綺麗に修繕されることを願ってやみません。





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