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よみがえる国宝、吉備津神社本殿・拝殿修復工事その2

前回紹介した吉備津神社。このなかでも国宝に指定されている本殿・拝殿について檜皮葺屋根の修復を主とする大改修工事が行われた。

檜皮葺とは屋根葺手法の1つであり檜の樹皮を少しずつずらしながら重ねていき竹釘にて固定する手法である。軒先に厚みが出ることで重厚感を演出、また優美な屋根曲線を作ることが出来る、日本の古い建築物でしか見ることが出来ない手法である。

この写真は2019年2月より修復工事を開始した北随神門の屋根である。見ると檜皮が朽ちて雑草が生えてしまっていることがよくわかる。本殿も修復前はこの様な状態になっていた。
この檜皮を新しいものでやり替えるのだがここで重要になってくるのが材料の用意である。

檜皮の確保について

檜皮とは檜の樹皮のことである。檜皮葺に使用するためには樹齢100年以上の十分な太さをもつ檜の立木より皮をはぎ、この作業を行う職人を原皮師と呼ぶ。10m以上の高さで作業を行う事もあり専門性の高い技術が必要であるため、この様な専門の職人が必要なのだ。

今回の本殿・拝殿の屋根面積は約1,000㎡ありこの面積に必要な檜は約3,000本にものぼる。
現在、樹皮を採取するのにふさわしい樹齢の檜が全国的に不足していること、原皮師の数が減少していることもあり檜皮の確保に多くの時間が必要となった。

こうして集めた檜皮もそのままでは屋根の葺き替えに使用することが出来ない。葺師と呼ばれる職人の手によって使用部位ごとに様々な形・長さに加工することで初めて神社へと搬入されていくのだ。

屋根を葺き替える。言葉にすれば一言ではあるがその工程に進むまでにもこれほどの時間・手間・技術が使用されており国宝の修復がどれだけ困難であるかを想像することが出来る。

次回よりは実際の葺き替え工程について紹介をしていく。

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