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エリアリノベーションという考え方

この10年で、問屋街から“若者のまち”へと変ぼうを遂げたエリアが岡山市にあります。
それが問屋町です。

問屋町はJR岡山駅から南西方向に車やバスで15分ほど、JR北長瀬駅からは車で5分の場所にあります。その名のとおり、かつては問屋業の街として栄えたこのエリアには、卸問屋などの倉庫街の跡地が点在していました。近年になり、これらの倉庫や事務所の跡地を利用し、リノベーションを施したカフェや雑貨店、アパレル店等、多くの店舗が立ち並び、まるで海外を思わせるようなおしゃれで個性的なエリアです。チェーン店は少なく個性を生かした個人店が多いのも魅力の一つとなっています。街ごと新たに生まれ変わった壮大なエリアリノベーションの事例として広く注目を集めています。

問屋町エリアには、それぞれ個性的な輝きを放つ70以上の雑貨店や飲食店が立ち並んでいます。そのほとんどが、空きビルをリノベーションして生まれ変わりました。畳屋だった建物は人気の洋服店に、家具の卸問屋の倉庫は若者が集うカフェになりました。

この問屋町という街は10年以上も前に、ある1つの通りから始まった1つのリノベーションが起源となっています。

かつて、多くの卸問屋が集まっていた問屋町。倉庫や広い販売スペースを持つビルが軒を連ねていました。しかし、バブル崩壊後、廃業が相次ぎ、空きビルが目立つようになりました。どこの地方都市にもある、かつて栄えた街が社会的な要因に影響され次第に衰退していく構図そのものです。

当時、広い通り沿いに並ぶ低層階のビル。開放感があり、空きビルに新たな価値を加えれば、魅力的なエリアになるのではないかと考える人たちが現れたのです。
当時の問屋町のある1つの通りで、個性的なカフェと雑貨店が営業していました。この通り沿いに魅力的な商業ビルが3つ加われば人の流れが生まれると考え、オーナーに掛け合って空きビルを格安で借り、リノベーションを実施する人が現れました。

リノベーションを行い生まれ変わった問屋町テラス

リノベーションした施設の入居テナントには、オリジナリティにこだわる店が選ばれました。
すでに海外からも注目される岡山産のデニムを発信するファッションデザイナーに「岡山で、他にはないまちをつくろう」と。「他にはないまちを」という呼びかけは共感を呼び、2つ目のビルには別の岡山生まれのファッション店が出店。3つ目のビルには、ヨガ教室など、美容や健康を売りにする6つの店が入りました。「ここにくれば、他では簡単に手に入らない商品と出会える」と、次第に人々が通りに足を運ぶようになりました。

すると、周りの空きビルにも新たな店が次々と開店し始めました。その1つ、岡山産のリンゴにこだわったアップルパイの専門店です。個性を売りにしたさまざまな店は、今、町全体に広がっています。

「他にはないまちをつくる」というコンセプトは、当初、急激なまちの変化にとまどっていたビルのオーナーたちの心も動かしました。新たに店を開いた店主たちは、定期的にオーナーと交流会を開き、まちの将来を語り合っています。

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